BtoBものづくり企業を目指す就活生の多くは、その安定性に魅力を感じていると思います。1つの会社に腰を据えて長く働けること、十分な給与が得られること、など重視していることでしょう。
そんな働き方を実現するためには長期に安定して高収益を上げている企業を選ぶことが望ましいです。そんな企業の筆頭が「GNT:グローバルニッチトップ企業」です。グローバルニッチトップ企業とは、個々の市場規模はそこまで大きくないものの、高い世界シェアを獲得している企業を指します。日本にはBtoBものづくり企業を中心に多くのグローバルニッチトップ企業があり、経済産業省が2014年と2020年の2回にわたり、優秀な企業を選定した「GNT100:グローバルニッチトップ企業100選」を発表しています。
本記事では、2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」の中から「電気・電子部門」を受賞した20社の中から、情報を開示している企業について平均在籍年数・平均年間給与の情報についてまとめました。また、ニッチトップで居続けるために重要な要素である特許について、各社の保有状況もまとめています。
「GNT100(Global Niche Top Companies Selection 100):グローバルニッチトップ企業100選」とは
2020年6月、経済産業省は、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する優良な企業など113社を、2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」として選定しました。(経産省による発表)

GNT100の選定要件は「世界市場の規模が100~1,000億円程度」であって、「10%以上(中堅企業、中小企業)/20%以上(大企業)の世界シェアを保有」していることを基本とし、収益性・競争優位性・国際性などを加味したものとなります。

GNT100(電気・電子部門)に選定された企業は、平均して「世界市場シェア 42.9%」「海外売上比率 55.8%」「営業利益率 11.6%」となっています。製造業全体の営業利益率は平均して4.8%というデータがあるため、GNT100企業が極めて高い収益性を持っていることが分かります。
GNT100企業(電気・電子部門)まとめ
日本電子株式会社(旧:株式会社JEOL RESONANCE)
株式会社JEOL RESONANCEは、2011年に設立され、東京都昭島市に本社を置く核磁気共鳴装置(NMR)のメーカーです。同社は1950年代の市場参入以来、国内外の第一線の研究者との協力関係を通じて、最新技術を使いやすい形で具現化してきた実績を持ちます。
主力製品の高磁場NMRは、磁気共鳴現象を利用して原子レベルで物質の化学構造を分析する装置であり、製薬、バイオ、電子材料などの最先端分野で不可欠な存在となっています。特に固体材料測定用の検出器では、感度を左右する試料回転速度において世界最高クラスの性能を誇ります。製品の小型化と省電力化にも注力しており、代表的なECZシリーズでは、従来機比でサイズを55%以上、消費電力を65%以上削減することに成功しました。
戦略面では、NMRとクライオ電子顕微鏡の両方を自社で提案できる強みを活かし、それぞれの装置の利点を引き出しつつ弱点を補完し合う「YOKOGUSHI」戦略を推進しています。現在、米国や英国に開発拠点を構え、世界19拠点の販売網を通じてグローバルに事業を展開しており、売上高の海外比率は約60%に達しています。今後は複雑な操作の自動化やメンテナンス体制のさらなる拡充を進め、世界市場でのシェア拡大を目指しています。
- 平均年齢:44.5歳
- 平均勤続年数:16.6年
- 平均年間給与:8,280,000円
- 2025年3月期有価証券報告書 より引用
横河電機株式会社
株式会社電子制御国際
株式会社電子制御国際は、1968年に設立され、東京都羽村市に本社を置く、モータやトランスなどのコイル絶縁検査装置のメーカーです。主力製品はインパルス巻線試験機で、高電圧を極短時間印加することで、コイルの絶縁不良を瞬時に非破壊で検査し、良否判定を行います。
同社は1985年に他社に先駆けてマイコンを搭載し、製品をデジタル化しました。これにより、波形を内部メモリに記憶できるようになったため、従来必要だった比較用のコイルが不要となり、デジタルサンプリングによって放電現象の発見も容易になりました。波形の面積を計算して比較する同社の判定方式は、現在では業界のデファクトスタンダードとなっています。
戦略面では、1990年代に国内メーカーの海外進出に合わせて積極的にグローバル展開を図りました。安価な模倣品との価格競争には加わらず、高品質・高性能とアフターサービスを重視する姿勢を貫いたことで、現在では世界20か国以上で使用され、エンドユーザーベースの海外売上高比率は約7割に達しています。近年は、市場のトレンドに機動的に対応し、車載用部品やスマートフォン向け部品といった成長分野へ、コア技術を活用した製品を先行して投入し続けています。
京西テクノス株式会社
京西テクノス株式会社は2002年に設立され、東京都多摩市に本社を置く、医療機器や産業用電子機器の点検・修理を行う企業です。同社はメーカーの修理サポートが終了した電子計測器などのメンテナンスも手掛けており、その修理・点検サービスは国内随一の規模を誇ります。
特に独自のサービスとして、関西国際空港内のフリートレードゾーンに修理工場を設け、保税状態のまま海外の故障機器をスピーディーに修理する「グローバルリペアサービス(GRS)」を確立しました。この保税工場の設置にあたっては関係機関への根気強い説明が必要でしたが、国際航空貨物輸送会社との提携が後押しとなり実現に至りました。GRSにより、従来発生していた関税コストを削減できるほか、物流の最適化によって最短3日という迅速な修理対応を可能にしています。また、高度な技術を持つエンジニアが国内と同じ設備や治具を用いて修理を行うため、世界各地でばらつきのあったサービス品質を高いレベルで統一することに成功しています。
さらに、修理から校正までを保税工場内で完結させる「グローバルキャリブレーションサービス(GCS)」も立ち上げ、ワンストップでのサービス提供体制を整えています。こうした「国内にいながら海外の需要を取り込む」独自の戦略により、世界市場での存在感を高めています。
レーザーテック株式会社
レーザーテック株式会社は1960年に設立され、神奈川県横浜市に本社を置く企業です。同社は「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」という経営理念を一貫して掲げ、光応用技術を用いた数々の検査・計測装置を開発しています。
主力製品は、半導体製造工程で使用される回路パターンの原板であるEUVマスクやフォトマスクの欠陥検査装置です。この分野で世界トップクラスのシェアを誇り、最先端の光応用技術、エレクトロニクス、精密機構、画像処理を融合させることで、製造プロセスの微細化に伴い重要となる高感度な検査と高い処理能力を両立させています。特に、先端プロセスで用いられる光源と同じ波長で検査を行う「アクティニックEUVパターンマスク欠陥検査装置」の開発に世界で初めて成功し、半導体製造技術の発展を支えています。
経営戦略としては、大手企業が参入しにくいニッチ市場で高いシェアと収益性を獲得することに注力しています。また、製品製造の多くを外部に委託する「研究開発型ファブライト」体制を採用することで、社内エンジニアが技術開発や顧客とのリレーション構築に集中できる環境を整えています。こうした取り組みの結果、海外売上高比率は8割以上に達しており、世界中の半導体生産効率の向上に貢献しています。
- 平均年齢:40.1歳
- 平均勤続年数:8.3年
- 平均年間給与:16,808,225円
- 2025年6月期有価証券報告書 より引用
株式会社ニューフレアテクノロジー
株式会社ニューフレアテクノロジーは、2002年に設立され、神奈川県横浜市に本社を置く企業です。同社の主力製品は、パソコンや携帯電話の半導体チップ量産に不可欠なリソグラフィ技術で用いられる、先端半導体向けフォトマスク用電子ビーム描画装置です。この装置は回路の原画となるフォトマスクを量産するためのもので、世界市場で9割以上の極めて高いシェアを占めています。半導体の微細化が進む中、最新の装置では7nm世代の量産や5nm世代の開発に求められる高精細な描画を可能にしており、世界の先端メーカーにおけるデファクトスタンダードとなっています。
戦略面では、旧東芝機械の事業部時代である1999年に商用装置を上市して以来、高精度化と生産性の維持を両立する独自開発に特化してきました。また、システムの自動調整機能や故障診断機能を搭載することで高い稼働率を実現し、顧客の信頼を得ています。現在は、サブナノメートル精度の描画要求やリソグラフィ手段の変革に対応するため、学会活動等を通じた情報収集を行い、誤差解析手法の先鋭化や補正技術の進化を継続しています。
東京応化工業株式会社
東京応化工業株式会社は、1940年に設立され、神奈川県川崎市に本社を置く企業です。 主力製品は、半導体製造に不可欠な材料であるフォトレジスト(感光性樹脂)と、製造工程で使用される高純度な洗浄液やシンナーといった化学薬品です。
同社は1968年に国内初のレジストメーカーとして、海外製品を凌駕する品質を実現しました。 半導体の微細化や3次元化が進む中、国内外の半導体メーカーの個別設計や製造工程に適合したカスタムメイド品を迅速に開発・提供できる点が大きな強みです。 技術面では、品質管理のためにユーザーと同等の装置を自社に導入するほか、海外のコンソーシアムに参画して顧客と共に新規技術開発に取り組んでいます。 その成果として、線幅10nm以下に対応する最先端のEUVレジストや、3D-NANDフラッシュメモリー製造用の製品などを開発し、半導体業界から高い支持を得ています。
戦略面では、半導体製造拠点の海外シフトに合わせて韓国、台湾、米国などに研究開発や製造の拠点を設立し、顧客に密着したサービスを展開しています。 また、不純物混入を徹底管理した高品質な製品を安定供給するため、将来の需要拡大を見据えた生産設備の能力増強も積極的に進めています。
- 平均年齢:40.9歳
- 平均勤続年数:17.1年
- 平均年間給与:8,659,000円
- 2024年12月期有価証券報告書 より引用
株式会社白山
株式会社白山は1947年に設立され、石川県金沢市に本社を置く光通信部品メーカーです。主力製品は「MTフェルール」と呼ばれる、多心光ファイバを高精度かつ高密度に一括接続するための光接続用部品です。
同社はNTTから技術移転を受けて以来、20年以上にわたり製造販売を行っており、長年の技術蓄積による他社に類を見ない品揃えが大きな強みです。 光通信に使われる様々なグレードの光ファイバに対応し、多様なニーズに即応できる体制を構築しています。 技術面では独自の超精密成形技術を活かし、データセンターやテレコム向けに広く普及している12芯および16芯のMTフェルールを開発しました。 その品質は世界トップクラスを実現しており、米国最大のIT企業にも採用されています。
戦略面では、5Gの普及による通信高速化やデータ量増大を見据え、接続点での損失を低く抑えた低損失製品の提供に注力しています。 また、NTTの各研究所や技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)などの研究機関と連携するほか、国際電気標準会議(IEC)等の標準化活動にも参画しています。 こうした活動を通じて最先端情報の入手や技術開拓、パートナー企業の開拓を積極的に行い、光通信社会の発展を支えています。
株式会社コイケ
株式会社コイケは1946年に設立され、山梨県中巨摩郡昭和町に本社を置くメーカーです。同社の主力製品は弾性表面波(SAW)デバイス用ウェーハで、スマートフォンなどの移動体通信において特定の周波数のみを出力するフィルタに使用される基板です,。
同社は水晶振動子の製造メーカーとして創業しましたが、通信機器の高度化により水晶素材の限界が見え始めた際、電子デバイスメーカーから打診を受け、1997年からタンタル酸リチウムなどの酸化物単結晶の育成や高精度研磨技術の研究開発を開始しました,。1998年には4インチ、2008年には6インチの単結晶育成に成功し、さらにニオブ酸リチウム結晶の自社開発にも成功しています,。
技術面では、高精度な温度制御による結晶育成技術や、微細ワイヤを用いた高精度な薄板切断、高平坦性を実現する両面研磨加工などのコア技術を自社で確立しています。ウェーハ製造の全工程を同一敷地内で行う世界最大のメーカーであり、納期や仕様変更への柔軟な対応によりデバイスメーカーから絶大な信頼を得ています。
現在、世界シェアは60%を超えており、今後5Gの普及に伴い、搭載されるフィルタ数の増大によるさらなる市場拡大が予想されています。
イビデン株式会社
イビデン株式会社は、1912年に設立され、岐阜県大垣市に本社を置く企業です。同社の主力製品は最先端ICパッケージ基板であり、パソコンやデータセンター用MPU、AI・車載用のGPUなどに採用されています。1980年代中盤まで、当該分野の基板はセラミック製が業界標準でした。しかし、同社は1970年代に培ったプリント配線板の技術を応用し、1985年に電気特性に優れたプラスチック製基板を提案しました。これが世界最大手の半導体メーカーに認められたことで、同社の製品が業界のスタンダードとなりました。
同社の強みは、世界最先端の導体形成や積層、微細配線技術にあります。大型化や高多層化といった難仕様に対応し、長期信頼性に優れた製品を開発・生産できる点が評価されています。戦略面では、世界的な半導体メーカーと技術ロードマップを共有し、次世代ニーズに応えるソリューションを提案することで、トップの地位を維持しています。
今後は自動運転やAI、VRなどの用途拡大を見据え、最新鋭設備の導入や技術開発を推進する方針です。また、国内マザー工場のノウハウを海外拠点へ移管し、世界中で同一の品質レベルを維持する体制を整えています。
- 平均年齢:40.3歳
- 平均勤続年数:17.0年
- 平均年間給与:7,360,580円
- 2025年3月期有価証券報告書 より引用
高砂電気工業株式会社
高砂電気工業株式会社は、1959年に設立され、愛知県名古屋市に本社を置く流体制御機器メーカーです。主力製品は血液分析や環境分析、クロマトグラフ等の装置に用いられる分析装置用電磁弁で、微量な流体を正確に扱う技術に強みを持ちます。重さわずか1.7gという世界最小クラスの製品を含む1万機種超の製品群を有し、顧客の要望に合わせた細かなカスタマイズが可能な点が最大の強みです。
同社は小さな池の大きな魚を目指す戦略を掲げ、1960年代に国内の草分け的存在として分析機器市場へ参入しました。1980年代からは積極的に海外市場へ進出し、現在では主要な分析装置用電磁弁で32%という高いグローバルシェアを確保しています。ビジネススタイルとしては、顧客の要望にノーと言わないバルブ業界のコンシェルジュを自認し、顧客ニーズに徹底して応えるミクロマーケティングを実践しています。その問題解決力は高く評価されており、NASAやJAXA、さらには世界的な有名大学や大手IT企業の研究開発部門とも直接の取引実績があります。また、高度な語学力を持つ人材を配置するなどグローバル展開を加速させ、海外売上比率は45%以上に達しています。
湖北工業株式会社
湖北工業株式会社は、1959年に設立され、滋賀県長浜市に本社を置く企業です。同社の主力製品は海底ケーブル用の高信頼性光デバイスであり、特に光を一方向のみに伝搬する光アイソレータなどの製品を世界中の海底ケーブルメーカーへ供給しています。
海底ケーブルは深さ6,000メートルの海底に敷設され、25年間に及ぶ運用期間が想定される特殊なシステムであるため、使用される光デバイスには極めて高い性能と信頼性が求められます。同社は独自の材料技術に基づく素子作りから精密なデバイス組立までを自社で一貫して行う体制を整えており、25年以上にわたる安定供給の実績がユーザーから高く評価されています。
戦略面では、海底ケーブルの通信方式が電気から光へ移行する時期に、通信事業者や機器メーカーと共に長期間の信頼性試験を乗り越え、1993年に大陸間海底ケーブルへの採用を果たしました。さらに2000年頃の波長多重方式の導入時にも、高性能な薄膜フィルタを用いた光フィルタを海底ケーブルメーカーと共に実現し、情報通信の高速大容量化を支えてきました。現在は、世界中の海底ケーブルメーカーのプラットフォーム作りに深く関わり、鍵となる新たな光デバイスを開発・供給することで、世界市場シェアの過半を獲得するに至っています。
- 平均年齢:44.3歳
- 平均勤続年数:11.8年
- 平均年間給与:6,653,000円
- 2024年12月期有価証券報告書 より引用
オプテックス株式会社
オプテックス株式会社は、滋賀県大津市に本社を置くセンサーメーカーです。同社は人の存在を認知して自動ドアの開閉を判断する自動ドアセンサーや周辺機器、関連サービスを提供しており、世界シェア30%を保有しています。1980年に足踏み式が主流だった業界へ世界初となる遠赤外線を用いた自動ドアセンサーを投入したパイオニアでもあります。
自動ドアは風雨や雪、小動物、電磁ノイズといった外部環境の影響を受けやすいため、過酷なフィールドテストや世界各地の現場からのフィードバックを蓄積し、センサー精度の向上や外乱要因の低減を図っています。近年は赤外線技術と画像技術を組み合わせたインテリジェント化も推進しています。
経営面ではマーケットを細分化し、専門性を高めた特定用途向けセンサーでトップシェアを狙う戦略をとっています。現場のニーズや設置環境、各国の法令や公的規格を深く理解し、それぞれの環境に適した解決策を導き出すことで独自のポジションを確立しました。
現在は約30の国や地域に拠点を設け、販売先は80ヵ国以上に広がっています。海外売上高比率は約7割に達しており、世界中の商業施設やオフィスビル、病院などで同社の製品が幅広く採用されています。
- 平均年齢:47.1歳
- 平均勤続年数:19.6年
- 平均年間給与:8,283,000円
- 2024年12月期有価証券報告書 より引用
株式会社SCREENグラフィックソリューションズ
株式会社SCREENグラフィックソリューションズは、京都府京都市に本社を置く企業です。同社は75年以上にわたり印刷製版業界向けに商品を提供してきた歴史を持ち、現在はロール式高速フルカラーインクジェット印刷機であるTruepress Jet520シリーズを主力製品としています。
この製品は、独自のスクリーニング技術や画像処理技術に最新のシングルパスインクジェット技術を組み合わせることで、高い印刷品質と生産性の両立を実現しています。最大520mm幅のロール用紙に対し、最高で分速220mという圧倒的な印刷速度を誇ります。2006年に初期モデルを発売して以来、それまでモノクロが主流だった請求書やダイレクトメールなどの個人向け通知物のフルカラー・オンデマンド化を推進してきました。
同社の強みは、産業用機器に不可欠な安定性と操作性に優れたモノづくりに加え、顧客の課題解決を追求する信頼関係に根差した営業力にあります。現在はハードウェアの開発・製造にとどまらず、ソフトウェアや検査システム、独自インクの開発、さらにはリモートサービスの提供までを含む包括的なソリューション事業を展開し、世界の商業印刷・出版市場を支えています。
エスペック株式会社
エスペック株式会社は1954年に設立され、大阪府大阪市に本社を置く、環境試験器のメーカーです。環境試験器とは、温度や湿度、圧力といった地球上や宇宙の気象環境を人工的に再現する装置であり、内部に電子部品や工業製品を入れて、その環境下で十分作動するか、またどこに問題があるかを洗い出すために用いられます。同社は1961年に日本で初めて環境試験器を開発して以来、改良を重ねてトップブランドを確立し、国内シェア60パーセント以上、世界シェア30パーセント以上を誇っています。
同社の強みは、精密な環境制御性能に加え、世界46か国に広がるネットワークを通じて高品質な製品とサービスをどこでも提供できる体制にあります。高度成長期の家電普及に伴う環境試験ニーズをいち早く捉え、1960年代から海外輸出を開始するなど、早期からグローバル展開を推進してきました。近年ではコア技術である環境創造技術を活用し、自動運転、5G、IoTといった最先端技術の開発に貢献する製品や、環境負荷を低減した製品を市場に投入しています。また、米国企業の買収や東南アジアでの拠点拡充により海外事業を拡大させており、バッテリーの安全認証ビジネスといった新領域の開拓にも注力しています。
- 平均年齢:40.3歳
- 平均勤続年数:15.3年
- 平均年間給与:7,630,000円
- 2025年3月期有価証券報告書 より引用
テイカ株式会社
テイカ株式会社は1919年に設立され、大阪府大阪市に本社を置く企業です。同社の主力製品は医療用超音波画像診断機の心臓部となるセラミックス振動子です。これは電気と振動を相互に変換する圧電セラミックス材料を基材とした電子部品で、超音波の発信と受信を一つの素子でほぼ同時に行う高機能な役割を担います。
製品の製造には、材料設計から素子の精密加工、電極膜の形成、微細加工に至るまで極めて難度の高い技術が必要です。同社はこれらを自社で一貫して行うことで、顧客の多様なニーズに応じたカスタム品の提供を実現しています。また、セラミックスと樹脂を組み合わせた圧電コンポジット材料の製造技術も確立しています。
開発は約30年前に開始されましたが、当初は知見が乏しく撤退の危機もありました。しかし、大学等の支援を受けながら課題解決に取り組み、医療用に用途を絞ることで技術を蓄積してきました。その結果、圧電セラミックスの供給量で世界市場の約50%を占めるに至っています。2018年には高い変換効率を持つ圧電単結晶技術を有する米国企業を買収し、グローバル子会社の活用や技術サービスの拡充を通じて、さらなる製品展開を目指しています。
- 平均年齢:41.2歳
- 平均勤続年数:19.1年
- 平均年間給与:6,520,000円
- 2025年3月期有価証券報告書 より引用
フィガロ技研株式会社
フィガロ技研株式会社は1969年に設立され、大阪府箕面市に本社を置くガスセンサの専業メーカーです。同社の主力製品は一酸化炭素(CO)ガスセンサで、長寿命かつ優れたガス選択性を持ち、世界中の一酸化炭素中毒事故の防止に貢献しています。
製品技術の大きな特徴は、電気化学式と半導体式の二つの検出方式を展開している点にあります。電気化学式センサは、乾電池の構造を応用した堅牢な造りで液漏れの心配がなく、広い検出濃度範囲と使用温度範囲を両立しており、主に北米市場で大きなシェアを占めています。一方、半導体式センサは、独自の構造や駆動方法により一つのセンサで可燃性ガスと一酸化炭素の二種類を検知できる機能を備えています。
同社の歴史は、1960年代に創業者が世界で初めて民生用半導体式ガスセンサの量産に成功したことから始まりました。発展の要因は、50年以上の経験に基づく高い開発・品質管理力、1980年の北米拠点開設に象徴される早期からのグローバル展開、そして市場要求に合わせて自らの技術を変化させる柔軟な姿勢にあります。現在では世界40カ国以上に代理店を持ち、蓄積された知見と組織力を活かして、世界の安心・安全を支える製品を安定的に供給し続けています。
株式会社パトライト
株式会社パトライトは1947年に設立され、大阪府大阪市に本社を置く情報表示機器のリーディング企業です。1955年に高性能マイクロモータの開発に成功し、1965年にその自社製モータを活用した回転警示灯の製造を開始したことが同社の発展の基礎となりました。
主力製品は、光と音を活用したシグナル・タワーや回転灯、音声製品などの報知機器です。これらは製造現場の装置稼働状況を5色の色情報で「見える化」し、異常時には光と音でアラームを知らせることで、現場の早期復旧や安全対策に貢献します。製品は長寿命で信頼性が高く、防滴防塵や耐振動性にも優れているため、過酷な環境下でも安定して使用できる点が強みです。市場シェアは日本国内で70%と圧倒的であり、世界市場でも16%を占めています。
経営戦略としては、世界主要エリアにある海外9拠点によるローカルニーズへの対応に加え、IoTやクラウド、PoEなどのネットワーク技術を組み合わせた高付加価値商品の展開を推進しています。アプリケーションを連携パートナーとコラボレーションすることで、顧客の課題に寄り添った提案を実施しています。2019年には海外販売比率が30%に達しており、今後も企業理念である「安心・安全・楽楽」を軸にグローバルな市場拡大を続けています。
古野電気株式会社
古野電気株式会社は1951年に設立され、兵庫県西宮市に本社を置く船舶用電子機器メーカーです。主力製品である商船向けレーダーは、自ら電波を発射して反射波を捉えることで、夜間や荒天時でも周囲の状況を判断し、船舶や障害物の早期発見を可能にする安全航行に不可欠な機器です。
同社の強みは、レーダーに加え電子海図情報表示装置や通信機器、AISなどの航海用機器を総合的に提供できる商品力にあります。また、保守部品の全世界展開や現場技術員への継続的トレーニングを通じ、世界のどの港に入港しても航行を止めない迅速なサービス体制を構築しています。
市場実績は極めて高く、2019年には世界シェアの41パーセントを占めています。現在は「みえないものをみる、その先へ」を掲げ、情報技術を駆使した自動運航時代の到来を見据えて、機器のデジタライゼーションを推進しています。今後は、シェア50パーセントの獲得を目指すとともに、航海の安全・安心・快適を最高水準で提供する海洋総合企業を目指して取り組んでいます。
- 平均年齢:44.7歳
- 平均勤続年数:15.4年
- 平均年間給与:7,043,103円
- 2025年2月期有価証券報告書 より引用
大塚テクノ株式会社
大塚テクノ株式会社は、1985年に設立され、徳島県鳴門市に本社を置く企業です。同社の主力製品は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に欠かせないリチウムイオン電池の過熱防止デバイスである「サーマルサーキットプロテクター」です。
モバイル端末の小型軽量化が進む中、このデバイスにも超小型化が求められています。同製品は通電部の金属と非通電部の樹脂を非常に細かいレベルで一体化させる「精密成形」技術を核としており、このレベルで実質的に生産できるメーカーは世界でも同社を含め数社しかありません。また、モバイル用途に必要な耐衝撃性や落下耐久性も備え、一定温度まで下がれば何度でも通電可能な高い信頼性を実現しています。
戦略面では、リチウムイオン電池の生産拠点が海外へ移行する流れに合わせ、外国人社員の積極登用や海外メーカーへの販路確保を推進してきました。大塚グループの一員として「独創的な製品づくり」というベンチャースピリットを継承し、顧客との綿密な技術打合せを通じて高い要求に応え続けています。今後は5G対応の高容量電池や、開発途上国向けの普及版電池など、世界の多様なニーズに対応する方針です。
GNT100企業(電気・電子部門)の平均勤続年数・年間給与
平均勤続年数(公開企業のみ)
- 日本電子株式会社:16.6年
- レーザーテック株式会社:8.3年
- 東京応化工業株式会社:17.1年
- イビデン株式会社:17.0年
- 湖北工業株式会社:11.8年
- オプテックス株式会社:19.6年
- エスペック株式会社:15.3年
- テイカ株式会社:19.1年
- 古野電気株式会社:15.4年
平均年間給与(公開企業のみ)
- 日本電子株式会社:8,280,000円
- レーザーテック株式会社:16,808,225円
- 東京応化工業株式会社:8,659,000円
- イビデン株式会社:7,360,580円
- 湖北工業株式会社:6,653,000円
- オプテックス株式会社:8,283,000円
- エスペック株式会社:7,630,000円
- テイカ株式会社:6,520,000円
- 古野電気株式会社:7,043,103円


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